第12章 疲れ勃ちした出久くんとヤリたい放題のバカンスに沼る話

登り切ったらあとはもう堕ちるだけだった。堪らず、お互い血迷ったように濃厚なキスを重ね合う。最早この際燃え尽きるまでまぐわっていないと収まりようがない。

ねっとり混ぜ合わされていく雄雌の性汁、舐めずり回される口腔、熱した息遣い、鼓動。触れてる部分全てが心地良すぎる。一つ不満に思うことがあるとすれば、衣服による隔たりがもどかしいこと。しかし、それが却って扇情させたのか、秘多は腰を緩やかにグラインドし続けた。

『ふぁ……♡はぁ……♡出久くん、ずっとがんばってたんだ……っ、雄英に来るまえから、ずっとっ……』

距離はゼロに等しいほどに密着し、かつてない多幸感に支配されながら、互いのイイ所を責め立てる秘多。圧迫感がまだ少し苦しい気がするも、緑谷を想ってるが故に行為に全身全霊を注いでいく。

「そんなに、したらっ……あ、ぁ゛♡す、すぐ、ひ、ぅ゛♡」
『無理、しないで……』

彼の中にある重荷をちょっとでも軽く出来るなら、捌け口になってあげてもいいと、自分に出来ること全部してあげたくなるという衝動が腰の揺れと共に強くなってくる。

カリ首が入り口に引っかかるギリギリまで腰を持ち上げたら、今度は杭を打つみたいに振り下ろし、微細な神経が一斉にこそがれる感覚を与えていく。

ぱちゅんっ♡ぱちゅんっ♡ぱちゅんっ♡ぱちゅんっ♡ぱちゅんっ♡

『い、いつでも、っ……♡あん゛♡射精して、ん゛、っ♡』
「それだけは、絶対ダメだからっ……あ゛、あ゛っ、んぁ゛♡きもちいい、密っ♡止めっ♡ああ、でる、でる゛♡もう、射精そうっっ……！♡♡」
『うん♡うんっ……♡濃いの、またちょうだい……♡ いずくくん、はぁ、う、うぅ♡中に、なかぁ……っ♡♡』

瞳孔と瞳孔が合う度に、必ずというほど両者の唇が重なり合う。口吸いのしすぎで相手の唇が腫れてしまうんじゃないか、それを気にも留めない様子で互いを味わった。快楽が身体の隅々に行き渡るのを感じ、白銀の糸がぷつりと切れた後も、緑谷の口角からは涎が間断なく流れ落ちていた。霧掛かった頭をぼうっとさせつつ、絶頂の予感を強く訴える悩ましい瞳に秘多は釘付けになる。