第1章 二人の悪戯(甘)●河田ナホヤ、ソウヤ
-18時半。そろそろ時間かな、と部屋の時計を見る。
今日はソウヤ君とナホヤ君の家でハロウィンパーティーをするのだ。
身支度を済ませ、玄関の全身鏡の前に立つ。
仮装は初めてだ。
二人の要望で白いロングドレスで来るように言われたのだが、果たしてこれは仮装と言えるのだろうか・・・。
なかなか着ない衣装に少し気分も上がる。まるで自分がどこかの国のお姫様になったような気持ちだ。
鏡の前で束ねた長い髪を整える。
仲が良いとはいえ、相手は男性の為少し緊張した面持ちで家を出る。
ー「おーい、もうすぐ来そうだから準備しよーぜ!」ナホヤがソウヤに声を掛ける。企みのある笑顔を向けられ、「はいはい、じゃ、電気消すよ」と半分呆れた返事をするソウヤだが、声色には期待を含んでいた。
ー19時。
〈ピンポーン〉
呼び鈴を鳴らすが、返事がない。
そもそも人の気配がしない。今日のこの時間の予定であったことを頭で再確認しながら再度呼び鈴を鳴らす。
返事がない。そういえば電気もついていない。
何かあったのではないかと頭をよぎり、ドアノブに手を掛け、ゆっくりと扉を開ける。やはり中はしーん、と静まり返っていた。
二人の名前を小声で呼ぶが、その闇に覆われた空間に不安が少しずつ膨らんでいく。
何か事件に巻き込まれたのではないか。
二人は目黒のツインデビルと言われる有名な不良だ。その上あの東京卍会の肆番隊隊長、副隊長ときた。いつそんな事態が起きたとしても不思議ではなかった。
家に入り1分も経たないうちにそう思い込んでしまうほど中はひどく不気味な空気が漂っていた。
「ドン!!!!」
突然大きな音がリビングのほうから聞こえ、ビクッと肩を揺らす。