【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第52章 最終章 Begin Again
出会ったあの日も、そうだったね。
こんな風に零が扉を開けてくれたけど、今思えばあれは幸せの扉だった。
あの頃のわたしは本当の恋の仕方なんてとっくに忘れていた。
誰かと付き合って、曲を書いて、別れて、また曲を書く。
まるで曲を書く材料を探すみたいに恋をしていた。
それが、零と出会ってからいつの間にかものすごく好きになって、この想いが叶ったとき、これが本当の恋なんだって確信した。
零との失恋ソングなんて歌いたくないと思ったから。
色んな時間を一緒に過ごして、きっとずっと零と一緒にいると思ってたところ、突然暗雲が立ち込めて二人を引き裂いた。
けれどこの2年はきっと、お互いにとって必要な時間だったんだと思う。
離れている間、気持ちが萎むどころか日増しに大きくなったんだから。
今日またここから、はじまる。
水曜日、とあるカフェで
この扉を開けた瞬間
またこの恋が始まる音がした。
Begin Again
The FIN
To the Epilogue