【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第51章 優しい彗星
安室side
その日の夜
夢を見た。
リラの夢じゃなかった。
僕が一人で暗闇に座っていたら、隣に僕の唯一無二の親友が腰を下ろした。
「ゼロ…」
「…ヒロ…」
ヒロは何も言わず、僕をギュッと抱き締めてくれた。
夢だとわかっているのに、ヒロの手があったかいような気がした。
夢なのに、懐かしいヒロの匂いがする気がした。
久しぶりに感じる親友のあたたかさに、僕の口から本音がポロポロとこぼれた。
「リラのこと、この手で幸せにしたかった」
「うん…」
「本当は、手放したくなかった」
「…うん…ゼロ…
よく決断したと思う。偉いよ」
ヒロは、優しく頷きながら僕の頬に触れた。
「大丈夫。きっとまた会えるから。
2人が運命の相手なら、きっとまた…どこかで…」
そう言って微笑むと、ヒロはまた光の中に消えていった。
そこには、からっぽになった僕の身体だけが残ってた。
そして、リラが僕の国からいなくなって1ヶ月後
リラはすでに全米のヒットチャートを独占している、レオン・シードとのコラボレーションで華々しく全米デビューした。
そのニュースは日本中を席巻し、Lilaの名前は全世界に一気に広まることとなった。
そこからの大躍進は凄まじく、次に出したソロデビュー曲もチャート1位を獲得。
誰もが羨むシンデレラストーリーに、世界中が大注目した。
僕は公安警察、探偵の安室透、黒の組織のバーボンのトリプルフェイスを使い分ける日々を送り、
月日は流れた…
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優しい彗星/YOASOBI