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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第42章 探偵ごっこ




安室side

それから数日後、スケジュールの調整がやっと出来て、今日は小鳥遊を一日張り込む日だ。

とりあえず手始めに朝、家から会社までの通勤路を見張ってみたが、特に怪しい人物は見当たらなかった。


とは言え、ストーカーはエスカレートすると必ず好意の対象に物理的に近づこうとしてくるはず。

かつて、リラの元カレストーカーもそうだったし…


必ずストーカーが現れると踏んで、今から仕事場から家までの小鳥遊を見張る時間がやってきた。


恵比寿にあるオフィスから出てきた小鳥遊。
そのまま駅に向かうのを尾行するが、まだ怪しい人物はいない。

むしろ、僕が今一番怪しい行動をしてるな…


探偵や刑事って、側から見たら不審者と紙一重か…

そんなことを今更自覚しながら、小鳥遊の尾行は自宅マンションまで到着した。

無事にエントランスをくぐったことを確認した僕は、腕時計を眺めながらため息を吐いた。


「今日は何も無かったか…」


尾行した結果だけ、小鳥遊に報告メールを入れて、今日のところは帰るか…
家にも着いたみたいだし。


そう思いながらスマホを操作していると、突如としてディスプレイに着信の文字が表示された。

見ると、小鳥遊からの着信だった。


「もしもし?
今から報告メールを送ろうかと…」

「安室先輩…
今、家の中に入ったんですけど、さっきからずっとインターフォンが鳴らされていて…
怖くて…」


震える声でそう言う小鳥遊の受話器の向こうからは、ピンポーーン ピンポーーン と、インターフォンが連打される音が聞こえてきた。


「すぐに行きます。
絶対に家の中から出ないように。
部屋番号は何番ですか?」

「601です…」

「了解」


そして電話を切ると、一目散にマンションのエントランスから中に入った。


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