【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第41章 降谷先輩 ☆
翌日
ふと目を覚ますと、わたしの身体はベッドで眠っていた。
どうやら、零が運んでくれたみたいだ。
ハッと顔を手で覆うと、昨日かけられた零の愛しいものは全部綺麗に拭き取られていた。
「いつの間に気を失ったんだろ…」
顔にかけられたところまでは覚えているけど、それ以降の記憶がない。
「ん…おはようございます」
隣から女の子の声がして、わたしはビクッと身体を震わせた。
そうだ!昨日零の依頼人の小鳥遊さんが泊まることになって、零のこと狙うって言われてたんだ!!
零に抱かれる前は小鳥遊さんがいるからダメ!なんて思っておいて、いざ零が身体を触るともうそんなのどうでもよくなった。
そしていつの間にか、小鳥遊さんがいることすっかり忘れていた。
「お、おはようございます。
ゆっくり眠れましたか?」
「はい!ほんのり降谷先輩の匂いがして、幸せでした」
ニコッと可愛い顔して宣戦布告してくるこの人を、わたしは完全に敵意剥き出しで見た。
わたしの零だもん…
そんな子供みたいなこと思うあたり、涼宮さんの一件から何にも成長してない。
そう思っていると、寝室のドアをノックする音が聞こえた。
コンコンッ
「リラ?小鳥遊?起きてる?
朝食を作ったんだ。食べないか?」
零がわたし達を起こしに来てくれたらしい。
「うん。今行く!」
そう言ってドアを開けた瞬間、零がわたしの身体を抱きしめてゆっくりと唇を重ねた。
「っん…?!」
驚いて目を見開いていると、零は首を傾げながらさも当然と言う顔をする。
「いつもしてるよな?おはようのキス」
「しっ…してるけど…」
どうしよう。
小鳥遊さんの前で堂々とキスをされたのが嬉しすぎて…
もう、気にするのはよそう。
こうして零がわたしにたくさん愛を注いでくれているんだし。
そう思いながら、わたしは零に手を引かれてダイニングに向かったけれど、小鳥遊さんとのゴタゴタはあと少しだけ続くことになる…
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