【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第38章 零じゃなきゃ ☆
「山岸さんも?」
「…山岸さんは、まあ例外的にOK…」
「風見さんは?」
「風見にはきっと君の送迎を頼むこともあるだろうから…って、問題はそこじゃなくて!」
思わずそうツッコミを入れた僕に、リラはしゅんと下を向いた。
「…怒らないって言ったのに」
「怒ってるんじゃないよ。
心配と…妬いてるんだ」
「え…」
リラが目を丸くして僕を見るから、僕は思わず自分の本心を全て曝け出してしまう。
「そんな、好意を寄せられる可能性のある男の車に乗って、万が一襲われでもしたら。
…それに、リラがリラに恋をしている男と一瞬でも2人きりでいたんだと思うと、嫉妬でおかしくなりそうだ」
「っ…でも、断ったよ?ちゃんと…
零しか無理ですって言ったよ?」
そう言ってリラは、僕の方は抱きついてきた。
「零だけだよ」
ずるいな…君は。
たったそれだけで、全て許してしまうのだから、君がずるいのか、僕がチョロいのかどっちなんだろう。
僕はリラの頬に手を添え、じっと目を見つめながら問いかけた。
「本当?僕だけ?」
「零だけ…絶対」
「じゃあ、お願いがある」
「なに?」
その瞬間、僕はリラの唇を奪った。
そして、リラの肩を抱き寄せ、またベッドにゆっくりと倒しながら言う。
「もう一回、したい」
そう言いながら、リラの胸元に手を添えてやんわりと揉むと、リラの身体がピクッと跳ねる。
そして、リラは僕の身体を力一杯抱きしめ返しながら可愛い声で言った。
「いいよ。しよ?」
そして、今度はリラから僕にキスをした。
甘くて深い、愛しいキスを。