【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第36章 ドS男の過去 ☆
ボロカスだな…
2人に言葉でボコボコにされたコナンくんは、ジトーッと面白くない顔をしながらまたオレンジジュースを啜る。
「でも、安室さんピンチですね!」
「えっ!?」
突然園子さんからそんな話を振られ、準備していなかった僕は思わず声を上げる。
「だあって!相手があの亜蘭様だもの。
大抵の女は見つめられただけで落ちるわよー!」
「ちょっと園子!」
「フッ…」
その言葉を聞いた僕は、思わず笑ってしまった。
だって、こんなに女の子が夢中になるような色男に、僕の彼女は敵対してお茶をぶっかけたらしいから。
藤亜蘭をテレビで見た時に見せた、あの可愛い顰めっ面を思い出してまた口角を上げていると、園子さんも蘭さんも首を傾げた。
「安室さん?」
「どうして笑うの?」
「あ、すみません。
大丈夫ですよ。あの2人は不仲のようなので」
「え!そうなの!?」
あ。言っちゃまずかったかな。
思わず口が滑り、これ以上余計なことを話してしまわないように、僕は一度キッチンの裏手に回り、コーヒーの補充の仕事を始めた。