【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第33章 降谷零の右腕になるには ☆
夕食を終えて洗い物を済ませたわたしは、お風呂の準備をした。
「お風呂、湧いたよー」
「ありがとう。でもこの腕じゃ満足に洗えないな」
零がそう言った瞬間、わたしの中に名案がピーンと浮かんだ。
「じゃあ、わたしが背中流してあげる!
髪も洗ってあげる!」
「…じゃあ。お言葉に甘えて」
片手が使えない零は、少し迷った後しぶしぶそれを了承した。
「じゃあ、一緒に行こ?」
零の手を引いて脱衣所に入ると、零が着ている服を脱がせるのを手伝ってあげた。
そして、ボクサーに手をかけようとした瞬間、零がそれを咄嗟に止めた。
「待った」
「え?」
「いや、これは自分で脱ぐから…」
恥ずかしそうに顔を赤くしてそう言われ、わたしはボクサーからパッと手を離した。
たしかに、零の見るの、おっきくなったところしか見たことないもんな…
恥ずかしがってる零が可愛いなと思いながら、わたしも零が向こうを向いている間にささっと自分の服を脱ぎ、身体にバスタオルを巻きつけた。
そしてその状態で零と一緒にバスルームに入る。
「湯船に浸かる前に身体洗ってあげるね?」
そう言って零を椅子に座らせると、その後ろに膝をついて腰を下ろし、スポンジに石鹸を泡立てた。
「じゃあ、背中洗うね?」
「お願いします」
おそるおそる、零の背中にスポンジを滑らせていく。
ごしごし…
零の背中って、一見そんなに大きくないのかなと思うけど、こう見たらものすごく広いんだ…
男の人の背中って感じがする。
背筋も、綺麗についていて…芸術品みたいだ。
零の背中に見惚れていると、零は目を閉じて気持ち良さそうに言う。
「人に身体を洗われるのって、意外と気持ちいいな。
くすぐったいと思っていたけど」
良かった…零、喜んでくれてる…!
たったそれだけが嬉しくて、背中を洗い終えたわたしは張り切って立ち上がった。
「よし!じゃあ前も!!」
意気揚々とそう言い、零の前に移動しようとするわたしを察知して、零が慌ててそれを止める。