【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第29章 零と過ごす2度目の夏 ☆
4月にまたLilaとして復帰して、2ヶ月が過ぎた。
世間はもうすぐ夏。
そして零と付き合い始めて1年が経とうとしている。
この一年、本当に色々合った。
零と出会ったのは去年の5月の終わり。
そこから1ヶ月と少しで付き合うことになった。
今でも鮮明に覚えてる。
テレビ局の出口を出たときに、零のRX-7を見つけたあの瞬間を。
リラのことが好きです。
僕の彼女になってください。
そう言ってくれたことも。全部覚えてる。
それから、零に色んなことを教えてもらった。
大好きって思う気持ちや愛しい気持ち、好きな人のことを全部知りたいと思う気持ちや、すれ違ったときの寂しい気持ち。
そして、キスの温度も、抱き合った時の体温も、好きな人に抱かれる幸せも。
そして、わたしから歌声が消えたことも。
また歌えることになって、自分がどれだけ音楽が好きか身に染みて実感したことも。
この一年で初めて経験することが多過ぎた。
けれど振り返れば、隣にはいつも変わらず零が笑ってくれてた。
わたしにとって降谷零は、かけがえのない世界で一番大切な存在になったんだ。
今日は2人が付き合った記念日。
意外とマメなわたしは、2ヶ月も前から今日をお祝いしようと楽しみにしていた。
今日、明日、明後日はお休みする!と、復帰してすぐに山岸さんに言って休日を確保。
今日と夜は零と一緒にワインでも飲みながらゆっくりイチャイチャして映画でも観ようかな。
明日はどこか車でお出かけしたいな。
なんて考えながら、腕に寄りをかけて料理を作っていた時、突然わたしのスマホが鳴った。