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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第28章 苦しみのその先に




泣き崩れるファンもいた。
ひたすらに、Lilaの名前を呼ぶファンもいた。

そんなファンの姿を見て、ステージに立ったリラも目が潤んでいる。


「みんな!久しぶり!
今日は当日発表にも関わらず、こんなにたくさんの人が集まってくれて本当に嬉しい。
今日から、Lilaは完全復活します。
そんな始まりの曲をみんなに聴いてほしい。
【ラブレター】」


MCのあと、すぐに曲が始まった。

会場が、リラの歌声で包まれるあの瞬間。
この時をきっと多くの人が待ち望んでいた。


「…この曲…」


リラが歌う曲を聴いて、僕はハッとする。

この曲は、この間机に突っ伏して眠るリラの隣に置かれていたノートに書かれていた詞だ。


音楽に対する感謝の気持ち
大好きと言う気持ち
音楽があったから常に笑っていられた
支えられてきた
これからもずっと、鳴り止まないでいて


この歌を、今のリラが歌うことの意味を思った時、僕の目から涙が溢れた。

やっぱり、リラは歌っていないといけない。
こんなにも、人の心を温かく包んでくれるのだから。


「…安室さんのおかげですよ。
Lilaがまたこうやって歌えるのは」


僕にそう言う山岸さんに、僕は涙を拭うことも忘れて返す。


「僕は、この歌声を守るためなら、どんなことでもしますよ」


どんなことでも。

そう、たとえ、僕とリラが天と地に引き裂かれることになっても、僕はリラの歌声を守ると思う。

この歌声を守り抜きたい。



Next Chapter...



ラブレター\YOASOBI



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