【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第27章 母と娘
安室side
リラが歌えなくなってから気が付けば4ヶ月が過ぎた。
最初はすぐに歌えるようになると思っていたけれど現実はそう甘くなく、リラもそれをだんだん自覚し始めて来たのか、昼間の時間を使って家で資格勉強をするようになった。
僕は相変わらず3つの顔を使い分け、毎日忙しい日々を送っている。
家に帰れないこともしばしばあったけれど、昨日の夜はリラを抱いてから一緒に眠ることができた。
こんな風にリラと抱きしめ合って一緒に眠るのは久しぶりだった。
いつもはリラが寝ている時に僕が帰って来て、僕が一方的にリラを抱きしめて寝ることが多かったから。
ピンポーーン
「ん…」
朝、誰かが鳴らすインターフォンの音で僕は目を覚ました。
眠気眼のまま部屋の壁にかけてある時計を見ると時刻は朝の8時。
こんな時間に誰か来た…?
そう思いながら僕はもぞ…と身体を動かした。
「んー…零。
どこ行くの?」
僕が身体を起こそうとすると、隣で僕の腕枕で眠っていたリラが寝ぼけながら僕に抱きついてくる。
「誰か来た。
宅配かもしれないから出てくるよ」
「やだぁ…離れないで。零ぃ…」
そんな可愛い声で可愛いことを言いながら僕の身体にしがみついてくるリラ。
腕を僕の腰に回し、リラの長い脚が僕の身体に絡んでくる。