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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第3章 金髪のボディーガード




安室side


リラに抱きしめられたとき、不意に彼女を思い出した。

彼女は赤井のことでよく泣いていて、僕はいつもこうやって彼女を慰めていた気がする。

これじゃ、立場が逆だな。


彼女よりもさらに年下のこの女の子の前で、泣いて抱きしめられて慰められているなんて、僕らしくない。

僕らしくないのに、どうしてか、リラの匂いが心地良いと感じた。

このまま、僕もリラを抱きしめ返せば、何か変わるだろうか。


…いや、あり得ないな。


僕はゆっくりリラから身体を離した。


すみません。と謝ると、リラもこっちこそすみませんと謝ってくる。

いや、僕の方が…そう言ってまた謝ると、リラもいやわたしの方こそ…と頭を下げる。


この、バカみたいなやり取りに僕は思わず笑ってしまった。

不思議だな。

別れた日に聞いたラジオでの言葉も、今日も、リラのおかげで何故か心が軽くなってる。


この子を、1ヶ月間ちゃんと守ろう。
それが今の僕のやるべきことだ。


そう思いながら手を差し出すと、リラも微笑みながら僕の手を取って握った。



リラ。
僕はこの時から、ただ君の歌に癒されていた。
人生で1番辛かった時、救ってくれたのは君の歌声だった。

君の歌を、ずっと聴いていたい。

そう思ってたんだ。


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