【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第20章 僕のこと好きだろ? ☆
零にベッドまで運ばれた時点で、わたしはもう身体がふにゃふにゃの状態だ。
優しくベッドに下ろし、わたしの髪を撫でた後に、零は、わたしの身体を力一杯抱きしめながら絞り出すような声で言った。
「っ…リラ…
僕に飽きたりしないで…」
「…飽き…ん??ん?
いきなりどうしたの」
零から飛び出した言葉が予想外すぎて、わたしは驚いて零の顔を見ながら尋ねた。
零は少し迷ったあと、わたしに甘えるようにぎゅーっと抱きつきながら続けた。
「今日、ポアロで女子高生が話してるのを聞いたんだ…
彼氏が優しすぎて物足りないって。
リラにも、そう思われてるんじゃないかと思ったらガラにも無く焦って…
だから、少しでもSっ気を出そうとしたんだけど、暴走した…」
あぁ…と自分自身に呆れて落ち込む零。
その姿は、普段の完璧すぎる姿からは想像もできないほど、可愛くて愛しく思えた。
「っ…零…可愛い…!」
「え゛?!」
可愛いと言われることは今までなかったんだろう。
零はとても不満げな顔をしてわたしを見た。
「可愛いって、それ褒めてますか?」
「褒めてるよ!!!可愛すぎる…」
「…全く喜べないな…」
そう言いながら、慌てて男の顔を作ろうとする零に、わたしは笑いながら言い直した。
「じゃあ…愛しい。
零のこと、愛しいよ」
可愛いじゃなくて、愛しい。
言葉を少し変えただけなのに、こんなにも気持ちがより伝わるなんて、日本語って美しいね。