第17章 似てない家族　☆

安室side


好きだとリラに伝えた兄に対し、リラは当たり前のようにわたしも好きだと返した。

そして、お母さんもお兄ちゃんも大好きと続けた。

事実上、お兄さんの告白は玉砕ということになるが、リラは全くもって気付いていないらしい。


家族としてしか見ていないからなんだろう。


だけど、リラがこんなに鈍感なら、もしかしたら他にも密かにリラに想いを寄せている男はいそうだ。

安心したような、不安になるようなそんな複雑な気持ちを抱えていると、リラは僕に笑いかけてくる。


「ありがとね。お兄ちゃんのこと。
兄は、何考えてるのかわかんないとこあるけど、悪い人じゃないから…」

「うん。君のお兄さんだもんな」


血は、繋がっていないらしいけど。


リラが僕にそのことを言わないのは何故だろう。
わざわざ言うほどのことでもないと思っているんだろうか。


この時は、まだ知らなかった。

リラの家族に秘密が隠されていることを。

僕がリラから、リラの家族についての話を聞くのは、もう少し先のこと…



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