【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第16章 愛が重い ☆
そんな風に思いながら、風見から貰ったLilaグッズを眺めていると、リラが帰宅する音が聞こえた。
「ただいまー!」
「おかえり。はやかったね」
「うん。打ち合わせが意外と早く終わったの……って、なにこれ!!」
上着を脱ぎながらハンガーにかけたリラは、テレビ台に並べられた自身のアクスタを見て声を上げる。
「風見の友人がLilaファンらしく、くれたんだ」
「いや…くれたとは言え、自分のアクスタが家に並べられてるのなんか恥ずかしいよ!」
「そう?僕はこのリラが好きだな。
衣装も似合ってるし、他も可愛いけど」
まったく悪びれもせずにそんなことを言う僕を見て、これは言葉で何を言っても無駄だと悟ったリラは、無言でテレビ台のアクスタを回収し出す。
「えっ!」
「だって、ご飯食べながらテレビ見る時、自分の顔がチラチラ目に入るのやだよー!」
「だーめ!小さいリラ、妖精みたいで可愛いから」
リラがアクスタを回収しようとするのを、僕は笑いながらリラを後ろから抱きしめて止める。
リラもつられて笑いながら、それでもアクスタを回収しようとするから、咄嗟にその手を握り、リラの唇を奪った。
「んっ…」
数秒口付けてゆっくり離すと、リラは悔しそうに僕を見る。
「ずるい。」
「君が可愛いのがずるい」
公安警察で、黒の組織で、私立探偵で
ポーカーフェイスが売りの僕だけど、
リラの前ではまったく機能していないことを自覚しながら、僕はもう一度リラの唇をキスをした。
結局次の日、アクスタはリラが綺麗に片付けてしまったのだった。
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