【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第16章 愛が重い ☆
安室side
ある日、風見から血相を変えて電話がかかってきた。
「もしもし?どうした?」
「ふっ!降谷さん!!!!大変です!!」
只事では無い風見の勢いに圧倒されながら、僕は電話口に声を荒げる。
「どうした?!何があった?」
「Lilaさんが!!!下着姿で表紙を飾っています!!!!」
「…なんだ。そんなことか」
てっきり、どこかで何か大きな事件が起こったものと思っていた僕は、風見に呆れながら返事をした。
そりゃあリラは売れっ子のアーティストなんだし、下着で雑誌の表紙を飾るぐらい…
ん?下着で…?
事の重大さに改めてハッと気付き、今度は僕が風見に声を荒げた。
「おい!!どう言う事だ?!」
「い、今本屋の外からかけているんですが、たまたま沖野ヨーコさんの出ている雑誌を買おうとしたら、その隣に積んである雑誌の表紙に…Lilaさんが…下着姿で…
も、ものすっごくエロい顔して写ってます」
「人の彼女を見て、エロいとか言わないでくれるか」
「すっ!すみません!」
不条理にも、一旦風見に怒りをぶつけて冷静に今の状況を整理する。
つまり、僕の最愛で世界一可愛い愛しい彼女の下着姿が全国の書店に並んでいて??
その雑誌を手に取って見知らぬ男に谷間を見られたり、エロい顔を凝視されたりして??
リラをオカズにする奴も現れると言うことか…?!!?
「…買い占めろ」
「は??」
「そこの本屋にあるその雑誌、全部買い占めろ」
脳死でそう指示した僕は、電話口で風見が
「えええぇっ!ちょっ!待ってくだ…」
ピッ
風見が電話口で大慌てで僕の奇行を止めようとしていたが、僕は完全無視して電話を切った。