【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第11章 前の彼女 ☆
「ん…」
深夜にふと目が覚めた。
それと同時に昨日のことを思い出し、突然恥ずかしさが増してきて顔が熱くなる。
うううー!と悶えながら布団に潜り、隣を見ると安室さんの綺麗な寝顔がそこにあった。
「わっ!!」
思わず驚いて声を上げると、安室さんの眉が歪み、
「ん…リラ…」
と名前を呼びながらわたしをぎゅー…っと抱きしめた。
わたしの中途半端に脱がされていた服は綺麗に直され、安室さんは上半身裸のままわたしを抱きしめて眠ってる。
結局、最後まで出来なかったのか…
わたしばっかり気持ちよくしてもらって、安室さんのこと、全然満足させられてない…
自分の経験の無さが情けなくて、わたしは思わずじわ…と涙が溢れ、安室さんに気付かれないように、ぐす…っと拭った。
「リラ…?」
気付いたら安室さんの目が開いていて、わたしの顔を心配そうに覗き込んだ。
「どうしたの?」
「…わたし、安室さんのこと全然気持ちよくできてない…」
だって、きっと前の彼女とは最後まで…
そう思ってることが、全部透けて見えていたようだ。
安室さんは優しく笑いながら、わたしの目から溢れる涙にキスをした。
「リラは今、熟成中なんです」
「は??」
まさかの単語が飛び出し、わたしは思わず目を丸くして安室さんを見た。
「焦らして焦らして、食べごろになったら美味しくいただきますから。
覚悟しておいてください?」
「…わたし、ワインか何かなの?!」
思わずそんなツッコミをいれると、安室さんが優しく笑う。
「ははっ…
リラ…好きだよ。
リラがこうして僕の腕の中にいるだけで、幸せだ」
「わたしも…安室さん大好き…」
甘い言葉、優しい手のひら
そんな愛に溶かされて、わたしは目を閉じた。
わたしが必死で纏っている、芸能人としての鎧も、強くありたいという想いも、弱さを隠すように演じている仮面も、
安室さんは全部脱がしてくる。
安室さんの前で、わたしは丸裸なのに…
この時は気付きもしなかったんだ。
安室さんのことを、わたしが見えていた部分は、10%もなかったってこと。
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