【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第10章 初めてのデート ☆
「…っ…リラ、ごめん…嫌だった?」
慌ててリラの服の下から手を抜いて、リラの髪を撫でながらぎゅっと抱きしめた。
「ち…違うの!
嫌じゃなくて、恥ずかしすぎて…
わたし変じゃない?変だよね?!
勝手に声が出てきて…」
顔を真っ赤にして、そう言って俯くリラが可愛すぎて、僕は思わず顔を覆った。
「…何ですかそれ…」
「や、やっぱり変なんだ…」
「違いますよ。
…可愛すぎて…勘弁してください」
そう言いながら、僕はまたリラのことをぎゅっと抱きしめた。
「変じゃない…?」
「変じゃないよ。
むしろ、優秀です」
「ゆ、優秀?」
どういうこと?とリラは不安そうに首を傾げる。
やっぱり、この意味もわからないか。
純情過ぎる自分の彼女に驚きながらも、これはもっと時間をかけて進めていかなければ…と、先が遠くなる。
まあでもいいか…
ゆっくり教えていくつもりだったし。
「…すみません。
今日は、僕が暴走し過ぎました。
…もう何もしないから、抱きしめて寝てもいい?」
そう言って腕を広げリラに選択権を与えると、リラは少し迷ったあと、ちょこちょこと僕の方へ身体を動かし、そっと寄り添うように僕の腕の中に来た。
「…安室さんと、こうして眠るの好き」
そう言って擦り寄るリラにまた胸を貫かれる。
「…何日手を出さずにいられるか、自分との勝負だな」
「え?」
「いや?こっちの話」
まあいいか。
十分過ぎるぐらい、幸せだ。
こうして、僕の恋はゆっくり、ゆっくりとまた前に進みだした。
自分の本名も、職業も、全て隠した状態で…
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