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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第111章 鳥妖怪の卵


ヒキツ「ママ〜!!見て〜!」
トミテ「スゲーの見つけたじょ!」
幼稚園から帰って来たヒキツとトミテが涼子の元にやって来た。
「ん??何…??」
ヒキツ「卵!」
トミテ「これでオムレツ作れ!」
「作れじゃなくて作ってでしょ?てか、何の卵か分からないのを調理したくないわよ。」
クグラ「どうしたんだ??」
ヒキツ「あっ!パパ〜!!」
ヒキツはクグラに抱っこしてもらう。
トミテ「あのな!これでオムレツ作るんだ!」
クグラ「ん??これって……鳥妖怪の卵じゃねぇの??」
トミテ「違うぞ!オムレツの卵だ!」
クグラ「いやいや、鳥妖怪のだっての!」
「……これまさか有精卵じゃないよね??」
クグラ「見た目じゃ分からねぇよな…どこから持って来たんだ??」
ヒキツ「みんなでお散歩した時に見ちゅけたの!」
トミテ「木の上から落ちて来たじょ!」
クグラ「よく割れなかったな。木からってことは巣にあったのが何かの拍子に落ちたんだろうから…もしかしたら中にひな鳥入ってるかもしれねぇな。」
「げっ!!ヤダ!!あんた達さっさとそれ外に置いて来な!」
ヒキツ「ヤダ!」
トミテ「ひな鳥育てるじょ!」
「んなもん育てなくていいの!てか、戻して来てよ!!」
涼子は鳥類が大の苦手である。
クグラ「そうだぞ。お前ら、自分の世話だってまだちゃんとできねぇのに鳥の世話なんか無理だろ?」
ヒキツ「できるもん!」
「できないでしょ!早く戻して来て!」
トミテ「……母ちゃんの鬼。」
最近トミテは父ちゃん母ちゃんと呼びになったのである。
「は??」
トミテ「鬼ババア!!」
「コラ!誰が鬼ババアだって!?鼻垂れ小僧がー!!」
トミテ「お前だ!鳥の卵捨てろ言う鬼ババアめ!」
クグラ「トミテ!!親に向かってお前とか鬼ババアは無いだろう!」
トミテ「鬼ババアなんだ!こんな家出てってやる!ヒー行くじょ!」
ヒキツ「トミテ〜!置いてかないで〜!」
二人で部屋を出て行った。
クグラ「涼子…追わなくていいのか??」
「どうせ行くところなんてお兄ちゃんのとこでしょ!放っておいて大丈夫よ!」
涼子はそう言うがクグラは気になったので涼子に内緒でこっそり後を追ってみた。
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