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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第67章 生き霊


今日ヤタカに会った時に私は気付いた。
ヤタカに女の人の霊が取り憑いていると…。でも本人も周りも気付いてないみたいだし、この前虫を見て女らしく『キャー!怖〜い!」と言ってみたら気取った顔で『フッ!』って鼻で笑いやがったから放っておくことにした。
ただ黙ってヤタカの背後に居るだけで何かやるわけでもないから別に問題ないだろう。

2日後
またヤタカに会ったのだがまだ霊が取り憑いていた。気になる。
ヤタカ「涼子?僕をやたら見てるけど何だい?」
クグラ「はっ!?なんでヤタカなんて見てるんだ!?涼子!俺だけを見ろ!ヤタカなんか見てたら潔癖が移る!」
ヤタカ「君!失敬だぞ!」
「あのね…別に大したことじゃないんだけどね。二日前に会った時からヤタカに女の人の霊が取り憑いてるのよ。」
クグラ「な〜んだ、霊かよ。てっきりヤタカが俺よりいい男に見えちまう魔法にでもかかったんかと思ったぜ。」
「そんな魔法があってもヤタカ相手に私がかかるわけないじゃない?」
ヤタカ「おい!君達!僕に何か恨みでもあるのか!?」
「ん?この前虫見て『キャー!怖〜い!!』って言った時に鼻で笑いやがったことなんて根に持ってないわよ?」
ヤタカ「根に持ってるみたいだね…。(いつも大雑把でいい加減なくせに細かい奴め…。)」
クグラ「で?除霊するのか?」
「う〜ん…別に本人も気付いてないし悪さしてるわけでもないし面倒だから放っておこうと思うんだけど…気になるのよねぇ。取り憑かれるような心当たりない?」
ヤタカ「あるわけないだろう!」
クグラ「またドッペルゲンガーでも出て女口説いてたりしたんじゃねぇの??」
ヤタカ「もうそれはない!!」
「とりあえず霊に聞いてみますか。」
涼子は霊を実体化させる札を貼った。
「何でヤタカに取り憑いてるの??」
霊「……。」
「ヤタカ、この人に見覚えは?」
ヤタカ「いや…分からない。」
「ねぇ!答えてよ!」
霊「……。」
クグラ「なんで喋らないんだ?札貼ったら俺らでも声聞こえるはずだろ?」
「…もしかして生き霊??」
クグラ「生き霊??」
「幽霊じゃなくて生きてる人の念よ。何かヤタカに伝えたいことや気になることがあってその人の気持ちが霊みたいにヤタカに取り憑いたの。」
ヤタカ「どうやれば離れてくれるんだい?気になるよ…。」
「本人に会って話を聞くしかないわね。」
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