第53章 クグラ一家の食卓
ある日、クグラ一家はヨルナミと一緒に食事をした。クグラとヨルナミはタイプは違うが昔から仲が良いのでちょくちょく一緒に食事したりするのである。
ヨルナミ「この魚美味しいですね。」
ちなみに今回の食事は涼子が日本の料理を作ったのである。
「カジキの煮付けね!ヨルナミさんはガッツリ系よりあっさり系のが好きかと思ったから和食にしてみました。」
ヨルナミ「とても美味しいです。いつも思いますが涼子さんって意外と料理上手ですよね。」
「意外は余計だっての!クグラ〜?ちゃんと煮物の人参も食べてね?」
クグラ「…俺、人参嫌い。なんで俺の分に人参三つも入れるんだよー!!」
クグラは筑前煮の人参を見ながら嘆いた。クグラの嫌いな食べ物その2、人参。
ヨルナミ「クグラ…そなたその歳でそんな好き嫌いしてるのですか?子供じゃないんですから野菜くらい黙ってお食べなさい。あと、刺し箸は行儀が悪いですよ。」
クグラ「いちいち小煩いなぁ…俺子供だからいいんだも〜ん!!」
クグラは子供の姿に戻る。
「まったく!いつもそうやって都合が悪くなると子供に戻るんだから!子供でもイナミとウルキはお利口さんに人参食べてるよ?」
ウルキ「ウー、人参好きー!」
イナミ「パパ!食べれないならヒキチュとトミテのみたいにママに細かくしてもらえば?」
ヒキツとトミテの分は赤ちゃん用に粗みじんにしてあるのである。
クグラ「俺は赤ちゃんじゃない!」
ヨルナミ「今はそなたが一番赤ん坊みたいだと思いますが?」
「……じゃぁ、クグラ!これ全部食べたら食後に作ったケーキ、一番大きいのあげる!」
クグラ「!?本当か??よし、俺頑張って食べる!!」
クグラは嫌そうな顔をしながら人参を食べ切った。
ヨルナミ「本当に子供ですね…。」
「本当は物で釣りたくないんだけどね…300年以上生きててこんなだからもう諦めかけてるのよ。」