第15章 血のハロウィン
「稀咲!!テメー!!」
我慢の限界に達した場地が凄むが稀咲素知らぬ顔でマイキーを煽る。
目覚めたマイキーは立ち上がると一虎を冷たい目で見据えた。
「殺したかった。ずっとテメーが年少から出てきたら真っ先に俺が殺そうと思ってた。そんな俺を諭し続けてくれたのがリアだった。」
「リアが言ってた。"一虎はマイキーを喜ばせたかった。" "だから一虎は受け入れられない" "たとえシン兄を殺したとしても" "自分を肯定するためにマイキーを敵にするしか無かった". . . . .ってよ。」
怒っているはずなのに、物凄く怒っているはずなのにマイキーのその顔は無表情で一虎に向ける瞳は何を思っているのか、酷く濁っていた。
「ケンチン。喧嘩はもう終わりだ。」
山を降り終えたマイキーは対峙しているドラケンと半間の元へと歩いていく。
「は?おいおい。喧嘩は終わり?舐めてんのか?マイキー。そんなのテメーが決めることじゃねーだろが!」
異議を唱えた半間をマイキーは一切の加減もなくコメカミに蹴りを食らわせた。
「ほら、終わった。」
1発で沈められた半間を前に何が起きたのか理解できなかったその場の全員が唖然とする。
しかし、半間が一撃で沈められたのは事実。
「やべぇ....殺されるぞ!!」
「逃げろ!!」
恐れを生した芭流覇羅のメンバーはたじろぐと一斉に逃げ出した。
「人は誰しも裏切る.....」
そう呟いた一虎は自分を上から見下すマイキーと対峙するように立ち上がった。
「終わらせようぜ。マイキー。テメーが死ぬか俺が死ぬかだ!」
ゴッ!!
言い終わったタイミングでマイキーの拳が一虎の顔を襲う。
「!!」
「大事なモン壊すことしか能がねぇなら、俺がここで....壊してやる。」
ドゴっ!!
尻もちを着いていた一虎をマイキーは容赦なく蹴りあげる。
そして馬乗りになると、大きく拳を振り上げて一虎を殴りつけた。