第15章 血のハロウィン
卍 卍 卍
─────決戦当日
東卍vs芭流覇羅
今日行われる抗争の勝者が東京のトップに1歩近づく大事な抗争。
それを見物しようと、東京中の顔役みたいなチームがギャラリーとして集まっていた。
ざっと見たところ100人以上は集まっているだろう。
それだけ、この抗争は注目を浴びているのだ。
「ギャラリーが多いな。はぐれんなよリアァ」
『東京中から集まってるみたいだね。』
上野を仕切っているガリ男から六本木のカリスマ兄弟の"灰谷兄弟"さえも来ていた。
『あ.....灰谷兄弟.....』
「あ?知り合いか?」
『うーん.....腐れ縁?クライアント?あ〜でもトモダチ?になるのかな?』
「っンだよソレ」
『まぁ昔ちょっと.....ね。あの子がお世話になって。』
「あぁ。アイツか。にしてもアイツらかなり有名だよな。ひと声かければ100人以上を集まるカリスマ兄弟って言われてんだろ?」
『うん。らしいね。でも末恐ろしい兄弟だよ。躊躇とかそういうのはない。灰狂戦争がいい例だね。』
「オマエ、よくそこまで知ってんな。」
『まーこれが私の得意分野だからね。じゃあ、圭介、ちょっと先行っててね。オレあの二人に用あるから。』
「あ、オイ!(用があるってオマエアイツらと知り合いなのかよ。)」
チラリと灰谷兄弟に視線を向けながら歩いていると、視線に気づいた蘭がこちらを見て一瞬目を見開くが直ぐににっこりと笑いヒラヒラと手を振った。
「兄貴何してんの? 」
「アレ見てみろ。リッカだ。」
「ほんとだ。でも、アイツ東卍じゃなかったけ?芭流覇羅の特服着てるけど.....」
「抜けたんじゃねーの?」
「マジか、抜けたならこっちに引っ張ってくればよかった。チビに着せたい服あったんだけどなぁ。」
「また今度誘ってみよーぜ。どーせアイツ俺たちから離れれねーし。」
蘭は携帯片手にニヤリと猟奇的な笑みを浮かべるとリツカを見つめる。