第7章 分かたれる道
結局あの後答えは出ることなくリツカは朝を迎えた。
今日も朝からせっせと働く目覚ましに一撃を入れながら、昨夜の夜更かしの代償である強い眠気と闘っているとピリリリッピリリリッ!と部屋に着信音が鳴り響く。
『んん.....はい。もひもひ....どーした?タケミチィ....』
「朝からごめん!リッちゃん。』
『......』( ˘ω˘ ) スヤァ…
「リッちゃん?.....リッちゃん!?起きて!!寝ないで!!」
『ハッ!ごめん。トんでた』!!!( ゚д゚)ハッ!!!!
しっかりしてくれよォという声を余所にリツカはあくびを漏らすと、通話を繋げながら身支度を始めた。
『それで?どうしたの?こんな朝早くに』
「今から俺の家来れる?ドラケンのことで話があるんだ。」
『.....オッケー、すぐ行く』
リツカはそう返すと、通話を切りタケミチの家へと足を急がせた。
『で?話って何?』
「ナオトとリッちゃんはさ、8月3日マイキー派とドラケン派の抗争でドラケンが死ぬって言ってたよな。」
『うん。言ったね。実際8月3日の内部抗争には私もドラケン派として参加したし、ドラケンが死ぬ事を目の前で見たよ.....』
「でも、12年前に戻ってきたら、東卍VS愛美愛主の抗争が始まろうとしている。これってどういうこと?」
『うーん...』
リツカは出されたお茶に口をつけながら天井を仰ぐ。
『今2つ思い当たる節はある....でもこれはまだ私の見解なんだけどさ....』
「なんだけど?」
『1つはタケミチが歴史に干渉したから....
もう1つは私が何かを忘れている....っていう可能性。』
「どういうこと?」
『まだ見解に過ぎないから断言できないけど、タケミチが歴史に干渉したことによって少なからず過去に影響が出てきてるってこと。』
「俺が?」
『うん。そしてもう1つが私が何かを忘れているって事なんだけど....私自身が無意識下で記憶を封印しているせいで、私たちが何か重大な勘違いを起こしてるって可能性があるってこと。』
「そのどっちかが今回の件に関係してるってこと?」
『もしくはどっちもって言った方が正しいかも。』
「って事は....」
『ってことは?』