夢に見た世界【アイドリッシュセブン】【D.Gray-man】
第2章 観察日記「KYを見て」(DG)未完
コムリンⅡの暴走から数日後の事。
私は、神田ユウから呼び出されていた。
理由は、この間の話の続きらしく。
長々と、脅しという名の説得を受けている。
それがとても苦痛で退屈な時間で。
しかも今日は半休だから、仕事を理由に逃げ出す事もできなかった。
私は、神田ユウの言葉を浴びながら、上の空で考える。
どうすればこの時間が早く終わるだろうか、と。
「って言ってんだよ、聞こえねぇのか?」
ああん? と言葉尻に付いてもおかしくないような、粗暴な尋ね方だった。
「聞いてます聞いてます、エクソシスト様の日記をつけるのをやめろと仰っているのですよね。でもお断りさせて頂きます、これは私の生きがいなのです」
まあ、そうは言っても怖い物は怖い。
私の顎も膝も肩もガクガクガクガク震えている。
だから声も大いに震えている。
おまけに声の大きさも微々たるもの。
そんな私の姿勢が余計に神田ユウを苛立たせるのか、彼の目つきは一層悪くなった。
せっかくの美人が台無しである。
あと、美人に凄まれると目茶苦茶怖い。
「生きがいなんざ、他のモンでも見つけりゃ良いだろう。どうして俺達に固執する?」
「どうしてなんて、理由などありません。憧れを捨てる事はできないのです。私のこの気持ちは、誰にも侵されません!」
胸に右手を当て、神田ユウの目を頑張って真っ直ぐ見つめながら訴えた。
当然、こんな訴えは神田ユウには響かない。
「ハッ。侵されねぇ保障でもあんのかよ。テメェに出来る事なんざ限られてる。とっとと諦めな」
鼻で笑われた。
「保障はありませんが、覚悟ならあります。諦めたりなど致しません」
「良いからさっさと日記を止めろって言ってんだよ。どうせ大した覚悟じゃねぇんだろ」
「私の覚悟は本物です!」
駄目だ。
このままだと話が平行線で終わる。
そしてまたいつか呼び出しを食らう事になるのだろう。
それは面倒だ。
無駄な時間は避けたい。
だがどうする?
一か八かで私の覚悟がどれ程の物か、証明するか?
しかしどうやって?
何か、何か今出来る最善策を思い浮かばなければ。
私に出来る事、出来る事。
――そうだ、私には読み書きが出来るではないか!
「ならば、誓約書を作って神に誓えば信じて下さいますか?」
「俺は神なんざ信じてねぇ」
・・・そうだった。
打つ手無し。