第9章 ハロウィーン
「私も見たかったなぁ、その頭が3つある犬に」
次の日の朝、ミラは羨ましそうにハリーとロンを見た。昨夜、ミラが無事談話室に戻ってくると、すでにハリーたちがいた。無事みんな戻っていたことに安心したら、突然ハリーが自分を力一杯抱きしめてくれたことにびっくりした。
その後、ハーマイオニーがプリプリ怒りながら部屋に戻って行った。
自分がいない間に何があったのかをハリーに聞いてみたら、4階にある禁じられた廊下に知らずに立ち入り、そこで《三つ頭の大きな犬》がいて、何かを守っているとのことだった。ミラはあの時なぜ付いていかなかったのか、ほんの少しだけ後悔した。
「談話室につくまで全く君のことに気が付かなかったよ、ハリーは君がその犬に食べられたんじゃないかって---でもあの犬には二度と会いたくないな」
「本当に逸れたの、ミラ?」
ハリーは心配そうにミラを見た。どうやらハリーに多大な心配をかけてしまったんだと気が付いたミラは、困ったように頬をかいた。まさかドラコを助けるために逸れてしまったなんて--ミラは良心が痛む思いで「ごめん」と謝った。
「フィルチの確認のために振り返ったら、ネビルが曲がったのをちゃんと見えてなくて…曲がり損ねてそのまま真っ直ぐ走った…でもハリーたちも食べられてなくてよかったよ」
ハリーとロンの話を聞く限り、その犬はかなり大きいらしく、自分たちなんて一飲みにするだろうとハリーは教えてくれた。そして話題は、その犬が何を隠しているかに付いて、三人は盛り上がった。
ハリーとミラは、例の包みのこと、それがホグワーツに移されたのではないだろうかということをロンに話した。
「もの凄く大切なものか、もの凄く危険なものだろうな」
と、ロンが言った。
それかそのどっちもか、ますます深まる謎に、三人の探究心はくすぐられるばかりだった。