第56章 ホグズミード村
教室を出てしばらくして、ロンが口を開いた。
「マクゴナガルめ、たまには”いいですよ”って言えないのかな。喉に引っかかってる呪文でもあるんじゃないか?」
ロンのぶつぶつとした悪口が続くにつれて、ハーマイオニーの表情はみるみる険しくなった。
「ロン、やめて。そんな言い方……聞いてて気分が悪いわ」
ぴしゃりと言い切るハーマイオニーに、ロンは不満そうに口を尖らせる。
「だってさ!ハリーだけ行けないなんておかしいだろ!なぁ、ミラもそう思うだろ?」
その隣で、ミラは何も言わずに黙っていた。
ロンの言っていることは理解できる。ハリーのことは誰よりも大切で、家族のように思っているのも本当だ。
それでも----マクゴナガル先生はこれまで会った大人の中で、一番信用できる人物だ。
「…ロン、気持ちはわかるけど、先生は意地悪で言ったわけじゃない」
「ミラの言う通りよ」
「それでもさ…」
ロンは納得いかない顔をしたまま唇を突き出した。
ミラはハリーに視線を向けた。沈んだ顔をハリーに、ミラはなんて声をかければいいかわからなかった。まだトランクにしまいっぱなしの許可証を思い出すと、ミラは暗い気持ちになった。
ドラコには悪いが、許可証は提出しないでおこう----ミラはそう決めた。ハロウィーン当日に、許可証は無くしてしまったと言って、ハリーを驚かそうと思っていた。