第56章 ホグズミード村
次の日になっても、ロンのハーマイオニーに対する態度は変わらなかった。薬草学の時間でも、一緒に花咲豆(パッファポッド)の作業中も、ロンはほとんどハーマイオニーに口を聞かなかった。
次の授業は変身術で、いよいよハリーがマクゴナガル先生にホグズミードに行ってもいいか聞く時が来た。ミラはいやに心臓がドキドキしていた。はたしてマクゴナガル先生は許可をくれるだろうか----ハリーがどんな酷いマグルの家族と暮らしているか、理解しているはずだと、ミラはハリー以上に緊張しているのではないかと思った。
教室の外に並んだ生徒の一番後ろで並んで待っていると、列の前の方が騒がしいことに気が付いた。
ミラはハリーとハーマイオニーの間から覗くと、パーバティが泣いているラベンダーを慰めている様子が見えた。
「ラベンダー、どうしたの?」
と、ハーマイオニーが心配そうに尋ねた。
「今朝、家から手紙が来たの。ラベンダーのウサギのビンキーが、狐に殺されちゃったんだって」
「まぁ…ラベンダー、可哀想に」
「私、予知しなければいけなかったのよ!」
と、ラベンダーが突然悲劇的に話し出した。
「今日が何日か、知ってる?十月十六日よ!トレローニー先生は正しかったんだわ!『あなたの恐れていることは、十月十六日に起こりますよ!』って!みんな、覚えてる?」
ミラは途端に興味を失ったように、そっと後へ下がった。またトレローニー先生の話しかと思うと、付き合いきれないと思い、壁際に背を預けて教室が開くのを待つことにした。
首に巻きついていたエインが首をもたげて、舌をチロチロと覗かせた。
「関わらない方がいい、めんどくさいことには巻き込まれたくないから」
ミラはエインの首辺りを指で撫であげた。自分に長いこと巻きついてお陰で、エインはほんのり暖かいと感じた。
遠巻きにみんなを見ていると、ハーマイオニーが何か話しているところだった。しかし、雲行きは怪しい様子で、パーバティはハーマイオニーを睨みつけたと思うと、ラベンダーの鳴き声が一際大きくなった。
「ラベンダー、ハーマイオニーの言うことなんか気にするな。他人のペットのことなんて、どうでもいいやつなんだから」
ロンの大声がこっちにまで聞こえた。