第6章 魔法の授業
午後3時ごろ、三人は城を出て校庭を横切った。ハグリッドの住む小さな木造の小屋は、『禁じられた森』の端にあった。ハリーがハグリッドの小屋のドアをノックすると、中にはハグリッドが大きな黒いボアハウンドの犬の首輪を掴みながら、ハリー達を招き入れてくれた。
「寛いでくれや」と、ハグリッドが言ってファングを離すと、ファングは一直線にロンに飛び掛かり、ロンの耳を舐めはじめたのを、ミラは横目で見ていた。ファングもまた見た目と違って、まったく恐怖心を抱かないいい犬だった。
ハリーはハグリッドにロンを紹介すると、ハグリッドはロンの双子の兄のフレッドとジョージについてよく知っているようで、森から追い出すのに苦労していることがわかった。
そして初めての授業の様子をハグリッドに聞かせると、もちろん話題はスネイプ先生のことになった。
「気にするな、スネイプは生徒という生徒は皆んな嫌いなんだ」
「でも、僕のこと本当に憎んでるみたいだった」
「わたしもそう思う、特にハリーにだけ酷かった!」
「ばかな、なんで憎まなきゃならん?」
そう言いながら、ハグリッドはまともに自分たちの目を見なかったように思えて、ハリーとミラは顔を合わせた。ハグリッドはロンに兄のチャーリーについて話題を振り、二人は益々ハグリッドがこの話題に触れたくないように感じた。
ロンがハグリッドに、チャーリーのドラゴンの仕事のことをいろいろと話しているあいだ、ハリーはテーブルの上のティーポット・カバーの下から、一枚の紙切れを見つけた。ミラもハリーが見つけた紙切れに興味を持ち、隣なから覗き込むと、『日刊予言者新聞』の切り抜きだった。
『グリンゴッツ侵入される』
ハリーはその紙切れの日付を見ると、ミラに「これ!」と指を差して見せた。
「7月…31日って…ハリーの誕生日…」
「それにこの日は僕達、一緒にダイアゴン横丁に行った日だよ!ハグリッド!グリンゴッツに侵入者が入ったのは、ぼくの誕生日だ!ぼくたちがあそこに居たあいだに起きたのかもしれない!」
今度ははっきりと、ハグリッドは二人から目を逸らした。ハリーとミラは記事を読み進めた。