第6章 魔法の授業
ドラコと誰かが組む前に、ミラはドラコに話しかけた。
「一緒に組もうよ、ドラコ」
ドラコはビックリしてミラを見たし、側にいたクラッブとゴイルもギョッとミラを見ていた。
「なんで君と組まないといけないんだ」
ドラコはつれない態度で言った。ドラコとは組分け以来の再会だった(大広間での食事で時々見かけてはいたが)、スリザリンに入らなかったせいか、ドラコは冷たくミラを突き放した。だがミラは気にすることなく話しかけた。
「だって周りの友達で魔法薬学が得意そうな人がいなかったからね。あなたと組んだらうまくいきそうだって思ったんだけど…もしかしてドラコもできないの?」
「僕ができないだって?」
侵害だ!と言わんばかりにドラコはミラを睨みつけた。と、そこへスネイプ先生が足早にやってきた。
「何事かね」
「スネイプ先生、先程の無礼な態度について謝ります」
「ミス・グローヴァー、謝ったとて我輩の考えは変わらん」
「はい、構いません…それで、わたし上手くいくか自信がなくて…先生の寮生なら魔法薬学に詳しいと思ってドラコに声をかけただけです」
「…そうなのかね、ミスター・マルフォイ?」
「えぇ…」
ミラはもう一押しだと思った。
「でもドラコも自信がないそうなので」
「おい!さっさと行くぞ!」
「他を当たります」と言い終わる前に、ドラコはミラの声を遮って、空いているテーブルへと歩いて行った。ミラは機嫌よくドラコの後に続くと、荷物をテーブルの下へ置いた。
「お手並み拝見させてもらうよ」
「ふん、こんな薬簡単だ。僕の指示なしで勝手なことはするなよ」
「りょーかい」
調子良く返事をしたミラに、ドラコは本当に大丈夫か?と眉を顰めながらミラを見た。ミラは鼻歌を歌いながら、教科書に書かれている材料を確認していて、やっぱり何を考えているかさっぱり読めず、ドラコも自分の教科書に目を通した。