第5章 組分け帽子
パーシーに続きながらグリフィンドール寮へ向かっていると、途中でポルターガイストのピーブスが歩行者用の杖を浮かして遊んでいた。「血みどろ男爵」に言いつけるぞとパーシーが言うと、舌をベーッと出して杖をねびるの頭の上に落とすと消えてしまった。
廊下の突き当たったところに、ピンクの絹のドレスを着たとても太った婦人の肖像画が架かっていた。
「合言葉は?」と、その婦人が言いました。
「カプート・ドラコニス」
と、パーシーが唱えると、『肖像画』の前がパッと開いて、壁に丸い穴が空いていた。その穴を這い上がると、グリフィンドールの談話室に繋がっていて、心地よい円形の部屋で、フカフカした肘かけ椅子がたくさん置かれていた。
パーシーの指示で、女子生徒は女子寮に続くドアから、男子生徒は男子寮に続くドアからそれぞれの部屋へと向かった。
「じゃ、ハリー。また明日」
「うん、おやすみミラ」
ハリーもミラもお互い眠たいのだとわかると、簡単な挨拶をして別れた。女子寮のドアを潜ると、自分の部屋を見つけてすぐにミラはベットに倒れ込んだ。
ミラは自分の他にあと4つのベッドがあることがわかると、今まで個室だった孤児院の方がまだプライベートはあったなと思った。
「あら、ミラ。あなたもこの部屋のなの?」
聞きなれた声の方へ顔を向けると、隣のベッドにはハーマイオニーが腰けけていた。「まじか」と唸りたい気持ちを抑え、ミラは手をヒラヒラと振った。
「明日から授業だなんて、わたしとっても楽しみだわ!パーシーから聞いたんだけど、授業も大変だけど、一年生は道を覚えるのも大変らしいわ!突然消える階段もあるとか・・・・・・」
ハーマイオニーは早口でいろんなことを話し始めた。ミラはそれが眠りの呪文に聞こえ、意識が朦朧とする中、ハーマイオニーの話が遠くなっていった。
「ミラ?そのまま寝るとローブがしわくちゃになるわ!」
「…うーん」
もう寝かせてくれと、ミラは最後の力を振り絞ってハーマイオニーから体を違う方向に向けた。これからしばらく一緒なのかとか、どうでもよくなり、鉛のように重い瞼を完全に閉じた。