• テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第5章 組分け帽子



 これが最後の苺、と思ってミラは苺を食べていると、隣いたハリーが急に「痛い!」と叫んで、びっくりしてかじった苺が手から落ちてしまった。

「どうしたの、ハリー?」
「な、なんでもない」

 なんでもなくはないだろうと、ハリーを軽く睨みつけ、ハリーが見ていたところをミラも見てみた。鉤鼻の男の人と、頭をターバンでグルグル巻きにした男が二人いた。 ハリーはパーシーに二人のことを聞くと、鉤鼻の男はスネイプ先生、ターバンの男はクィレル先生だとわかった。

「スネイプ先生は、『魔法薬』学を教えているんだけど、本当はその学科は教えたくないらしい___クィレル先生の席を狙ってるって、皆んな知ってるよ。闇の魔術にすごく詳しいんだ、スネイプ先生って」

 ミラはもう一度二人の先生を見たが、どう見てもクィレル先生はスネイプ先生に怯えている様子だった。あんなねっとりした先生に狙われるクィレル先生も大変だなと、ミラは他人事のように思った。



ダンブルドア校長がもう一度立ち上がると、広間はまたシーンとなった。

「エヘン___。全員よく食べ、よく飲んだことじゃろう。二言、三言、新学期を迎えるにあたり、話しておくことがある。一年生に注意しておくが、校内にある『森』に入ってはいけない。これは上級生にも、特に何人かの生徒たちに注意しておきたい。フィルチ管理人からは、授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意が来ておる」

ダンブルドア校長は、キラキラした目で双子のウィーズリー兄弟を見ていた。

「最後に_____とても痛い死に方はしたくないと願う者は、今年いっぱい四階の右側の『廊下』には入らないように」

 ハリーとミラは笑っていたが、笑っている生徒はそこまで多くなかった。パーシーが言うには真面目な話だったらしい。

 「では、寝る前に校歌を歌うことにしよう!」と、ダンブルドア校長が声を張り上げた。ミラは訳のわからない歌に、絶対こんな歌覚えるものかと思いながら、最後まで歌っていた双子のウィーズリーを呆れてみていた。
/ 677ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp