第5章 組分け帽子
「ふーむ、君も難しい…中々難しい性格をしておる。頭もいい。それに…スリザリンには行きたくないと?」
ミラは思っていたことを帽子が言い、ドキッとした。
そして帽子が心が読めると理解すると、「ハリーと同じ寮がいい」と思ってみた。
「しかしグリフィンドールは君に全くと言っていいほど、君に合っているとは思わない。勇敢だが、君はスリザリンの方がいい。その方が君は楽しく過ごせる、そして何より大事なものが見つかるだろう、それに君の--」
「嫌だ!ハリーと同じところがいい!」
「…そうか、君がそんなに願うなら…グリフィンドール!」
帽子が高々と叫ぶと、パッと視界が明るくなった。グリフィンドールからは歓喜の声が聞こえ、ミラは信じられないと言った顔で、笑顔で迎えてくれるハリーの隣へ座った。
「僕、君はレイブンクローに行くんじゃないかって思ってた!」
「まさか、他の寮に行くことを勧められたけど」
「スリザリン?」
「帽子はそうしたかったみたいだけどね」
ハリーの向かいに座っているロンが会話に入ってくると、ミラは皮肉そうに答えてやった。
「残念だったね、ロン」
「べ、別に残念だとか思ってない!」
「どうだか」
「ロン、ミラはからかってるだけだ。ミラもせっかく同じ寮になれたんだから、あんまりからかっちゃだめだよ」
「はいはい。ハリーママの言う通り」
「ミラ!」
ペロッとミラはロンに悪戯に舌を見せると、ロンは「やっぱりスリザリンに行った方が良かったんじゃないか?」と口には出さず、思うだけにした。
いつの間にか組分けは終わっていて、校長のアルバス・ダンブルドア校長が金色の席から立ち上がっていた。腕を大きく広げ、ニッコリと笑っていた。
「おめでとう、ホグワーツの新入生!歓迎会をはじめる前に、二言、三言、言わせていただきたい。----おろかもの!なきむし!がらくた!ひねくれ!有り難う!」
ミラは何を言っているか意味がわからず、ハリーの顔を見ると、ハリーも訳がわからないと言った顔をしていた。しかし驚いたのは、さっきまで食器だけが並べられたテーブルの上には、たくさんの食べ物が大皿に乗っていた。
ハリーとミラは今までこんなにたくさんの食べ物が並んでいるのを初めて見てびっくりした。