第4章 ドライブとパンと私の欲
「今日は定時に上がれそうです。
仕事が終わったらデートしませんか?」
彼氏の七海建人からのLINEを見てニヤニヤした。
待ち合わせの場所に向かうと既に七海が来ていて、隣には見慣れない左ハンドルの車が止まっていた。
「七海さん、お待たせしました。」
「大丈夫です。貴方こそいつも私の帰りを待っていてくれて有難う。」
「車、素敵ですね。」
「有難うございます。貴方を乗せて運転するのは初めてなのでいささか緊張しますが……行きましょう。」
運転をする七海はとてもカッコいい。
あまりじっと見ないようにと気を付けているつもりだったが見惚れてしまう。
ふっと七海がこちらを向いて目が合う。