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月夜の歌姫

第73章 ジャコラ再来


みんながサランに振り向きありがとうと言う。
不思議と力も湧いていくのを感じた。
サランはニコリと笑ってからジャコラを見つめた。
倒さねばならぬ相手はまだそこにいる。
そんなサランを不思議そうにカミュは見つめていた。

「今のは…?」

マルティナは微笑む。

「あの子の歌には女神様の力が宿ってたりするの。」

「へぇ…」

カミュはその背中を見つめた。

「あなたはとにかく、自分の身の安全を守って?」

マルティナの言葉にカミュは頷くしか無かった。
その間にもジャコラの攻撃は続いていく。
また、船体に体当たりをされる。
大きく船が揺れ足場が不安定になった。
しばらく粘っていると、ジャコラが出していた霧がスっと消えていく。

「ちっ…効果が切れたのか…」

ジャコラはもう一度、霧を出そうとしてきた。
しかし、それはブレインによって阻止された。

「覇王斬!」

ブレインが空に手を掲げると光が集まり大きな大剣になる。

「ハァァァ!」

ブレインは力を込めてそれをジャコラに突き立てた。

「ウォォォォ!
このジャコラ様が敗れるはずが…!」

ジャコラは苦しみ唸り声を上げる。
ブレインに近づき彼を見つめた。
そしてなにかに気づく。

「あの、いかずち…
まさか、貴様は…勇者!?」

ジャコラは最期の力を振り絞って天へと体を伸ばす。

「う、ウルノーガ様!
勇者が…勇者が復活を…!」

ジャコラは言い切る前に霧となり消えていった。
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