第6章 食後の運動は怪物退治?
しかし、そんなニコスの言葉が出る前にサランの言葉がニコスを唖然とさせた。
「あの…シルビアさん。でしたら私も一緒に行きたいです…。」
その場の全員がサランを凝視した。
「サランちゃん?これは遠足じゃないのよ?」
「分かってます。でも、シルビアさんが行くなら私も行きたいと思ったんです。
足でまといにはならないように、扇技やうたも呪文も多少覚えましたし、短剣も少しは扱えます!」
まっすぐシルビアを見つめるサランの瞳にシルビアもどう言葉をかけて考え直させるかと思ったが、サランの意思はテコを使っても動かないなと悟った。
「……ハァ、分かったわ。
でもむちゃはしないで、命優先に危なくなったらすぐに逃げることを約束してくれる?」
シルビアの言葉にパアっとサランは明るくなった。
「ありがとうございます!」
「それじゃあ早速行くから準備して!」
サランは「はい!」と応えると短剣や必要な物を鞄に詰めた。
「いいの?」
ニコスの言葉にシルビアはため息で返事をする。
「あなたも知ってるでしょ?
あの子、1度決めたら絶対に曲がらないって
あぁ、見えて実はものすごい頑固なのよね〜。」
ニコスはクスクスと笑った。
ニコスはサランが頑固になる条件を何となく知っていたからだ。
シルビアが気づいてるかは分からないが、サランが頑固になるのは大抵シルビアの事だったりしていると。