第58章 笑顔を届けるために
静かな部屋に1人、包帯を巻かれた女性がベットに沈んでいた。
彼女が沈むベットの傍をホワイトパンサーが守るように離れない。
まるで死んでいるのではないかと錯覚するくらい微動だにせず、眠る女性の様子を屋敷の執事が確認をする。
「どうだ?あいつの様子は?」
屋敷の主に聞かれるが目を閉じ首を横に振った。
「相変わらず静かに眠っておられます。」
その応えに主もそうかと悔しそうにうなだれた。
「グルル…」
そばに居るホワイトパンサーも時折、心配そうに手を舐めるがその手がいつものように優しく撫でることはなかった。