• テキストサイズ

月夜の歌姫

第58章 笑顔を届けるために


その夜

暗闇の中団長の声が響く。

ー レディースアンドジェントルメンー
ー本日はご来場いただき誠にありがとうございますー

団長が観客を眺めるがサーカスにやって来ても観客は下を向き俯いていた。それでも団長は明るく声を上げる。

「さぁさぁ皆様、前を向いて。
気分が落ち込んでいるからって下ばかり向いてたらもったいない。
帰ってきた、あの人の神業を見逃しますよ?」

団長の声は一段と優しいものだった。
暗い世の中を明るくしたい。そんな思いが強く感じられた。

シルビアとニコスはそれに応えようと定位置に着く。

太鼓を叩きながら出てくる兵士、ジャグリングしながらやってきた占い師、新人芸人が気球から降りてくる。
占い師が玉を投げるとナイフに変わり気球に向かって投げた。パァンと弾けた気球から一輪の薔薇が宙を浮かびしばらくすると薔薇は炎に包まれる。
爆発したかと思うと中からシルビアとニコスが現れた。
/ 618ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp