第31章 人魚の国
きっと、何かの間違いだ…。
ブレインさんが世界を滅ぼすなんて考えられない。
サランはそう信じようと、信じたいと思いシルビアを見る。
シルビアは優しく微笑んだ。
2人が海底王国を眺めているとブレイン達が戻ってきた。
「どうやら、海底に沈んだオーブは本当だったらしいな。ほら」
ブレインが女王から貰った緑色に輝くオーブを見せてくれた。
「ほんとにあったんですね…海に沈んだオーブって。
次のオーブの在り処も目処はついてるんですか?」
サランの言葉に待ってましたと言わんばかりにカミュが口を開く。
「次の行先も決まってはいるんだ。
秘境にあるっていう噂のメダル女学院近くにあるらしくてな。」
「メダル女学院?聞いた事あるわ、確かソルティコの有名リゾートホテルを営む子たちの出身学院で」
「シルビアさん、ソルティコに入ってないのに詳しいわね。」
すかさずベロニカが痛いところをグサリと指摘する。
「あ、あぁ…。ほらアタシ旅芸人じゃない?
ちょっと昔に寄ったことあるのよ!」
アハハと誤魔化す乾いた笑い声が響きシルビアはさっさと次の目的地に行こうと提案した。
その後ろでサランは不思議そうに顔を傾げる。
(シルビアさんに拾われてから10数年経つけど、私がソルティコという町を知ったのは初めてだったし…
シルビアさんに出会う前に行ったことがあるって事なのかな?それにソルティコ行くってなった時のあの表情…)
一同はとりあえず船に戻ることにした。