第18章 表彰式
弱くなってないかと観客も思った様だが、それ以上にパフォーマンスもしていい試合を見せてくれたことに観客に惜しまれつつもハンフリーは会場を後にした。
それを見ていたラァラの目には涙が浮かんでいた。
安心したような優しい涙だった。
ハンフリーとの戦いが終わると優勝者であるブレインに賞品授与がされる。
はずだった。
スタッフが慌てて会場に入ってくると1枚の手紙を司会者に渡す。
どうやら、賞品であった虹色の枝が盗まれたようだ。
「え…ブレインさんたちどうするんだろう…」
サランの不安な声がラァラに聞こえたようだ。
ラァラは優しく心配な表情でサランを見つめた。
「サランお姉ちゃん、それ必要だったの?」
「あ、ううん。大丈夫よ。きっと何かしら事情があるのよ。さぁ!お家に戻りましょう?」
サランとラァラは観客席を立つと孤児院に向かった。