第1章 ジョナサンの代わりはいない
これはジェナスとラグナとセラがアムドライバーに入隊する4年前のことです。
当時13歳のパフがアムドライバーに入隊したばかりの頃はあまり女子のアムドライバーはいませんでした。
パフと同期で入ったアムドライバーはシーンで、少年はしばらくソロで活動していました。シーンの場合はキャシーにすぐ気に入られ、サポートを充分に受けられます。
しかし、パフは周りが男子ばかりでどこに居ても居心地悪くしていました。そんなとき、少女に声を掛けてくれた男子アムドライバーがセラの兄のジョナサンでした。
ジョナサンは優しくパフに指導してくれます。やがて、ユニットを組んでくれた彼のことをパフは次第に憧れ、好きになっていきました。キャンプ(基地)にいるときは、彼といるだけで幸せだったパフでしたが、別れがある日突然襲ってきます。
ジョナサンが戦死したとキャンプに不報が入って来たのです。ジョナサンの葬儀に彼の両親と小さい女の子が泣きながら参列していました。その女の子がジョナサンの妹のセラでした。
このとき、パフとセラはあまり会話をすることはありませんでした。ジョナサンを失った悲しみで余裕をなくしていました。墓の埋葬を終え、彼の両親とセラが帰ったあと、パフはジョナサンの墓の前で涙を流し泣きます。