第1章 理想のペア、裏球へ!?
幸い、野生のドラゴンは理想のペアの隠れていたところを通り過ぎます。
丸井と木手は安堵しました。2人ともふーと小さくため息をつきます。
「今、オレたち、ドラゴンに襲われかけてたよな」
「あのまま逃げなかったら、餌食にされていたでしょうね」
「やっぱり?」
木手の言葉に固唾を飲み込む丸井です。
「オレたちがいるここの異世界はどこなのか、わかりませんが、慎重に行動する必要がありそうです」
「ああ、身の回り気を付けねえと、ほら、またドラゴン来た!」
丸井は木手の腕をぐいと引っ張り、先ほど隠れた大きな木の陰に隠れました。
今度のドラゴンは少年が乗っていたのです。青い角が生え、背中の尾が赤い大きな白のドラゴンから、オレンジのベストに赤いシャツを着た茶髪のワイルドヘアの少年がおりました。
そして、青い角が生え、背中の尾が赤い大きな白のドラゴンは、徐々にサイズが小さくなり、白い成犬の姿になります。
理想のペアが大きな木の陰に隠れていたことに、白い成犬が気付いたか、走り出しました。
「チビ、どこ行くんだ?」
茶髪のワイルドヘアの少年も白い成犬のあとに、理想のペアが隠れていた大きな木の方に向かって来ます。