第4章 【第三講 後半】そして棒倒し……
「それでは……始め!」
若干エロティックな競技説明を終えた後、月詠は開始の合図を送った。
「白組負けるなァァァ! 白組頑張れェェェ!!」
一応、中立の立場である体育祭実行委員のテントに居座っているにも関わらず、○○は3Zの所属する白組に盛大な声援を送る。
土方を中心に、白組は猛攻を仕掛ける。だが、赤組の守備陣も簡単には負けてくれない。
「ああ、もう! 倒れそうなのに!!」
惜しい! と、舌を鳴らす○○に、
「これを読みなんし」
と、月詠は一枚の紙とマイクを差し出した。
文面に目を通すが、書かれている意味がわからない。
「月詠先生、これ……」
そのまま読みなんしと言われ、○○はマイクを持ってそのまま読んだ。
「えー、『棒を倒して勝負を決めた人の棒は、私が立たせてフィニッシュさせてあげるから頑張れェェェ!』……って、月詠先生、これどういう意味ですか?」
声に出してみても、やはり意味がわからなかった。
「ぬしはわからんでもいい。奴等には伝わっているぞ」
月詠は轟轟と砂埃立ち込める中で戦闘を繰り広げる男子達に目を向けた。