第3章 【第三講 前半】小説版に時系列なんて最早ない
「わっちとしては、高校生で体の関係を持つのはどうかと思うが……」
「なっ……」
――何を聞きに行っとんじゃあのド変態がァァァ!!
○○は脳内でシャウトした。
「有り得ません! 断じて有り得ません! アイツの妄想です! 私は関係ありません!」
息が切れる程に○○は盛大に否定する。
ひとしきり○○が叫んだあと、月詠は淡々と言葉を発した。
「ならば、銀八先生なのか?」
「はァ?」
またしても意外な名前の登場に、○○は頓狂な声を上げた。
「いや、職員室で俺の○○、俺の○○とよく言っているもんでな。何を言っているのかと思っていたが……。ぬしは桂と付き合っていると思っていたしな。そっちが本当だったのか? しかし、教師と生徒というのも……」
「ご心配なく。本当じゃありません」
この学校には妄想癖のある人間が多すぎる、と○○は思う。
そうこうしているうちに、
――これより、棒倒しを開始します。
放送委員の声が響いた。
続々と列を成してゲートより入場する勇者達。
「わっちの出番じゃな」
○○は深く溜め息をつきながら、月詠にマイクを手渡した。
棒倒しの説明を月詠が行うことになっている。
受け取ると月詠は朝礼台に登り、○○はスピーカー調整のために立ち上がった。
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