第24章 見守りたい⦅宿儺⦆
『ん~、理由は全然分からなかったけど、虎杖くんやセンセーが それが私のためだと思ってくれてるなら、その人形持つよ』
五「さっすが なな ♪
ものわかりが良いね♪」
☆ ☆ ☆
そして冒頭に戻る。
宿儺は、ため息をつく なな に言った。
宿「俺たち呪霊から言わせれば、お前たち人間は 愚か だ」
なな は宿儺入りの人形を見つめたまま、宿儺の言葉を待った。
宿「人の前では良い顔をして、腹の中では その人を妬んだり怨んだり怒ったりして…。
人の目を気にして、群れでしか つるめない原型だ。アホらしい。
それに比べて俺たち呪霊は、自分の感情を隠さない。俺も そぅだが、戦いの中で自分の存在意義が証明されるし、分かりやすい弱肉強食社会だ。
人間の言う "いじめ" と やらも呪霊には存在しない。
気に入らないなら戦って言い聞かせれば良いだけだからな」
人形に入っている宿儺が足組をしたのだろう、人形が足を組んで考える人のポーズをとっている。
『…その人形姿で言われても説得力が無いけど………
まさか、呪いの王に人生相談する日が来るとは思って無かったよ』
なな は、フフ… と笑って宿儺を見た。
『ありがと、宿儺』
なな の笑顔を見て、宿儺は フン、とそっぽを向いてしまった。
『あ。怒った??
ごめんね 宿儺ぁ』
ツンツン、と人形の丸い頭を 突っつく なな であった。
***おわり***