第24章 見守りたい⦅宿儺⦆
『…ハァ』
スマホを見て、ため息をつく なな に宿儺が声をかけた。
宿「どぅした?」
『…人の本音と建前って、歪んでるよなぁ…って思ったの』
以前、京都姉妹校との交流会の時に五条が京都の生徒に配っていた謎のお土産に向かって話す なな。
宿儺は、五条が買ってきた謎のお土産の中に自分の指を取り込ませ、その人形を依り代として自由に動く事ができていた。
☆ ☆ ☆
さかのぼる事、姉妹校交流会の数時間前。
上層部には死亡と報告してあった虎杖を伏黒達にお披露目するため、大きめの箱を準備し、その中に入るように虎杖に言っている五条に、宿儺が声をかけた。
宿「おい、目隠し。その人形1つよこせ」
虎「人形??」
五「人形?? あぁ、このお土産の事??」
虎杖の目の前で、人形をプラプラさせる。
宿「そぅだ、それを1つよこせ」
虎「宿儺、お前それが人に物を頼む態度かよ」
呆れながら話す虎杖を無視し、宿儺は続けた。
宿「なかなか面白いものを持っているからな。それとココ(高専)が持ってる俺の指を1本返せ」
虎「何する気だよ」
宿「小僧はつまらん…。それに指を取り込ませて、なな に持たせろ」
五「何で なな なわけ?」
つまらん、て何だよ! と怒っている虎杖をスルーし、五条は宿儺に聞いた。
宿「なな のそばに居たいからだ」
シレッと言う宿儺に、虎杖は驚き、五条は ヒュー♪ と口笛を吹いた。