第17章 片想い⦅五条⦆
五「ま、なな が望めばいつでもココ(高専)に来られるから、また会う機会もあるかもね」
と五条は言った。
1年生'sと話をしていたら、辺りは暗くなってしまった。
五条は なな を家まで送り届けるために一緒に高専を出た。
☆ ☆ ☆
『悟くん ちゃんと教師やってるんだね♪』
1年生'sから五条の事や夜蛾、家入の話を たくさん聞けた なな は満足そうに笑った。
五「なぁ…なな……」
しんみりした声で なな の名を呼ぶ五条の方を見る。
五「…高専に帰ってこないか……?
…俺の目の届かない所に なな を置いておくのは…不安だよ」
足を止め、なな を真っ直ぐ見つめる五条に、なな は『ありがとう』と答えた。
『でも、今の私には まだ呪術師として やっていけないよ』
五「じゃあ教師として戻って?
それなら戦う事も少ないし、俺も なな が近くに居てくれるだけで安心する」
『私は誰の指図も受けないよ。
悟くんが大事にしてくれるのは スッゴく嬉しい♪
でも、鳥籠の鳥はイヤ』
歩き出す なな の腕を、五条は引き留めた。
五「なな の事 守れないウジ虫がウジャウジャ居るような所(会社)に なな を置いておきたくねぇよ…」
『自分の身は自分で守るよ』
そう言って笑う なな は、優しく五条の手を剥がし、再び歩き出した。
五「……どうしたら俺の物になってくれるんだよ………」
***おわり***