第17章 片想い⦅五条⦆
「背 高~い」とか「カッコいいー」とか、黄色い声が聞こえる。
五⦅…どーでもいい情報ばっか……
つーか、見せ物じゃないんだけどねぇ…⦆
ふふ~ん、と いつもの笑みを崩さず、五条は内心、すれ違う人々にイライラしていた。
『悟くん! 遅くなってゴメン!』
待ち合わせ場所に息を切らして走ってくる なな。
五「全然いいよ~♪」
なな は五条が高専の学生時代の同級生だ。
『今日はサングラスなんだね♪』
ニコリと笑う なな。
五「仕事の方は どぅ??」
なな は呪術師としてではなく、普通の会社員として勤めている。
『いつも残業ばっか』
自分達の近況報告をしながら、ぷらぷらと歩き出す。
五「そぅそぅ、今年の1年生も なかなか面白い子が揃ったよ」
『そぅなの?』
五「両面宿儺の器が現れた♪」
『え? 両面宿儺の器??』
なな は驚いたように聞き返した。
五「そ♪ 宿儺とは正反対の呪術師には珍しい善人タイプ。
もぅ指2本も食べてるんだ♪
それでいて宿儺を抑え込んでる♪」
『指を食べた??』
若干引きながら確認する なな に五条は頷いた。
『確か、両面宿儺の指って10cm以上あったような……
よく あんなミイラみたいな見た目の物 食べられたね、その子』
五「善人だけど、イカれっぷりは確かだからね♪」
『…その子の事ディスってる??』
なな は会った事のない その子を若干 可哀想に思った。