第191章 パンプキンケーキ⦅現パロ⦆
高専の食堂から いい匂いが漂ってくる。
食堂には ご機嫌な なな の鼻歌が聴こえる。
ガラ、と扉が開くとガヤガヤと宿儺を含めた1年と甘党で有名な五条がやって来た。
「いい匂~い♡」
釘崎も自然と笑顔になる。
「 なな 、何作ってんの?」
なな の手元を見ながら聞く虎杖。
『パンプキンケーキだよ♪』
使った道具を洗いながら なな が答えると、宿儺は腕まくりをして なな の隣に立った。
「…手伝う」
『ありがと、宿儺』
ニコッと笑う なな に、宿儺は不器用に「ん」と返事をした。
「パンプキン…あぁ、ハロウィンか」
なな と宿儺のやりとりを横目に、なぜパンプキンケーキなのか考えていた伏黒は、なるほど、と納得したように呟いた。
『正~解~♪ 任務入ってたりして みんなで出掛ける事は出来ないから、それなら食べ物で季節感を出そうと思って♪』
「僕のためにパンプキンケーキ作ってくれるなんて、 なな は優しいねぇ♡」
「え、何言ってんの先生」
「糖分の摂りすぎで思考回路がおかしいのだろう、相手にするな」
「イタイ アラサーよね」
「ご都合耳なんだろうな」
普通に引き気味な虎杖、呆れる宿儺、ドン引きな釘崎、冷たい視線を送る伏黒に、五条は「みんな酷くない?」と少しだけ悲しくなったのだった。
そんな日常会話(?)を楽しんでいると、オーブンがケーキの仕上がりを告げた。
『焼けたみたい』
オーブンを開け、なな はケーキを台の上に置いた。